こんにちは、佐賀県唐津市の司法書士松本隆宏です。
相続登記の義務化に伴い相続登記の相談が目に見えて増えておりますが、それと同時にスムーズな名義変更、相続手続きのために遺言書を作成したいとの相談も増えております。
確かに、遺言書があればスムーズな相続手続きができるのは事実です。しかし、それは公正証書遺言であればという話であって、自筆証書遺言書では難しいと考えております。自筆証書は、読んで字のごとく、自分の字で書かなければなりません。修正方法などの手続きも法律にそってやらなければなりません。要件がかけていると遺言書が無効になる可能性や、手続きができないといった可能性もあります。また、検認手続きといって、遺言者の死亡後に家庭裁判所にて手続きをする必要があり、その手続きも裁判所に書類を集めて提出し、約一か月後の期日が指定されるなど、死亡後にすぐに手続きができない可能性もあります。公正証書遺言であれば、検認は不要です。
相談において、公正証書遺言は難しく、自筆で。といったケースも増えました。
その原因の一つは、費用の問題です。内容や遺産にもよりますが、公証人に支払う費用が掛かります。
また、公証役場まで出向かなくてはなりません。相談者によっては、初めて対面する公証人の目の前でうまく口述でもやりとりができない、緊張して言葉が出てこない、調子が悪くて当初検討していた遺言書の内容と違うことを言ってしまう、認知症があり会話もおぼつかない等々の理由で断念する方もいらしゃいます。
そのような方は、やむを得ず自筆証書遺言を検討することになりますが、口述より、自分で字を書くほうがハードルが高いです。また、たくさんの字を書くことは通常難しいので、遺産をたくさんの相続人に分配したい方や、付言事項といって、たくさんの想いを遺言書にしたためたい方は高齢になればなるほど自分の字で書くことは困難です。
司法書士としては、まずは公正証書遺言を検討していただいております。せっかく作成するのであれば、法律的に不備のない公正証書遺言がおすすめです。
公正証書遺言は気持ちが籠っていないと言われることもありますが、そこはエンディングノートやビデオレターで補充してはいかがでしょうか?
費用に見合ったやり方だと思います。
あおば司法書士事務所 司法書士松本隆宏