負動産を手放す方法

あおば司法書士事務所の松本です。

最近は、相続放棄の依頼が増えてきているとの実感です。
相続放棄の理由は様々ですが、昔は借金問題や、被相続人に関わりになりたくないなどの問題だったのですが、
最近は、負不動産(あまりこの表記は好きではありませんが)から逃れたい。との理由が多くなってきました。

負動産とは、相続しても財産的な価値がなくて、相続して土地を取得することが負け、つまり損をする不動産のことです。
申し訳ないですが、佐賀県には山林や農地がたくさんあり、それを利用したり管理したりすることが難しい地域もたくさんあります。
それを相続すると、売ることも、国庫に戻すことも難しいので、相続したくないと考える方が、相続放棄を選択されるケースです。
また、いったん相続してしまうと、固定資産税が毎年負担になりますし、土地や工作物の管理責任を負うケースもあります。

弁護士ドットコムの記事より一部引用

安全性を欠いている場合、土地所有者は損害賠償義務を負う土地所有者の責任はどうなのか。

「木竹の植栽または支持に、通常有すべき安全性を欠いている『瑕疵』があることによって他人に損害を生じたときは、その木竹の占有者・所有者がその損害を賠償する義務を負います(民法717条1項、2項)。

 

相続土地国庫帰属制度も始まりましたが、要件か厳しく、また費用もかかるため、なかなか利用者がいないのが現状だと思います。
今後はまた利用しやすく改正されるかもしれませんが。

相続放棄をすると、相続人ではなくなるので、負動産の呪縛から逃れることが出来ます。
しかし、いったん相続してしまうとそれを手放すのは容易ではありません。

相続放棄は、相続が開始したことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。